NII 国立情報学研究所

 
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重点プロジェクト
最先端学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャ:CSI) 
学術情報ネットワーク:SINET4
学術情報ネットワーク運営・連携本部国立情報学研究所は、7大学の情報基盤センター等と連携して、我が国の「最先端学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャー:CSI)」の構築を進めています。これまで、学術情報ネットワーク(スーパーSINET/SINET)環境の提供を行ってきましたが、今後のCSIにおいては、その中核として「次世代学術情報ネットワーク(SINET4)」の構築を推進し、先進的な通信技術を採用するとともに、多様なサービスを提供していきます。
学術ネットワーク研究開発センター
CSI向け連携ミドルウェア
リサーチグリッド研究開発センター2003年度から文部科学省が推進するプロジェクトとしてスタートした「超高速コンピュータ網形成プロジェクト(National Research Grid Initiative:通称NAREGI)」では、広域分散型の最先端研究教育用大規模計算環境(サイエンスグリッド環境)実現のためのグリッド基盤ソフトウェアの研究開発を実施しています。NAREGIの成果はグリッド基盤としての特徴と有効性を最大限に発揮し、学術情報ネットワーク基盤(スーパーSINET/SINETおよびSINET3)、認証基盤等と連携して、最先端学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャー:CSI)を構築するための、重要な要素技術として位置付けられています。
学術コンテンツサービス
学術コンテンツ運営・連携本部次世代学術コンテンツ基盤は、最先端学術情報基盤(CSI:Cyber Science Infrastructure)を構成する主要な柱のひとつであり、学術コミュニティにとって不可欠な学術コンテンツを確保し、その安定的な提供を保証するとともに、大学や研究機関等で生み出された教育研究成果を収集、組織化し、付加価値を付けて広く社会に発信するための情報基盤です。
学術コンテンツサービス研究開発センター学術コンテンツサービス研究開発センターでは最先端学術基盤(サイバー・サイ エンス・インフラストラクチャー:CSI)の実現に向けて次世代学術情報の提供 サービスおよび流通基盤に関わる研究開発を行っています。 
大学電子認証基盤:UPKI
学術情報ネットワーク運営・連携本部大学間連携のための全国共同電子認証基盤(UPKI: InterUniversity PKI)は、最先端学術情報基盤(サイバー・サイエンス・インフラストラクチャー:CSI)による安全かつ安心なサービスに不可欠な基盤として、国立情報学研究所と7大学全国共同利用情報基盤センターをはじめとする全国の大学が連携して構築を進めています。UPKIによって、大学の計算機、ネットワーク、コンテンツや情報システムなどの安全、安心かつ有効な利用を促進するとともに、国内外の大学間や産業界との共同研究および様々な社会連携などの大学の社会基盤化を推進し、最先端学術研究を加速するとともに、ICT分野の人材育成や新産業の創出を目指しています。
【文部科学省:特別教育研究経費、課題名「大学間連携のための全国共同電子認証基盤構築事業」】
未来価値創成型情報学
情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究
情報爆発時代に向けた先進的なIT基盤技術の構築を目指しています。爆発する大量で多様な情報から必要な情報を効率良く、偏りなく、安心して取り出せる技術、情報管理に必要な大規模情報システムの安定・安全な運用のためのサステナブルな技術、および、人間とのしなやかな対話による情報の利活用技術の確立を目指します。さらに、先進的ITサービスを人間社会に受け入れ易くするための社会制度設計も視野に入れ、情報学諸分野における様々な先進的手法を研究開発し、その有機的な融合を目指した取り組みを進めています。
【文部科学省科学研究費補助金特定領域研究:領域代表 喜連川優客員教授・東京大学教授】
量子エンタングルメントを用いたセキュリティー技術
量子エンタングルメントネットワークの技術の物理的実装と応用の研究を推進しています。物理的実装においては、ネットワークの生成、操作、保存、観測といった必須の要素技術の実験的理論的研究を行っています。理論研究では、小さな非線形性を増幅し、量子状態の操作と観測を容易にする研究、実験的研究では、量子ドットを用いた光子源、波長変換素子を利用した光子検出、EITを用いた非線形演算素子、核スピン量子メモリーの研究を進めています。応用に関しては、基礎理論の探求、未来に向けた本格的なアルゴリズムの開発のほか、近未来に実現可能な簡便なプロトコルの可能性を探っています。
サイエンスグリッド
グリッドミドルウェア研究開発は、2006年度からは「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクトの一環である「サイエンスグリッドNAREGIプログラム」として推薦しています。CSIにグリッドミドルウェア技術提供を継続するのみならず、ペタスケールの計算能力を持った拠点を頂点として、全国に拡がった複数個の仮想環境(VO: Virtual Organization)からなるサイエンスグリッド環境を構築するために、新たに必要となるソフトウェア技術の研究を行います。これにより、広く産業界、大学、公立の研究機関と連携して、ナノ分野・ライフサイエンス分野をはじめとする科学技術分野のグランドチャレンジ問題の解決や新研究領域の開拓を目指します。
次世代ソフトウェア戦略
次世代オペレーティングシステム:SSS-PC
ディペンダブルコンピューティングシステムの基盤技術として、次世代汎用オペレーティングシステムSSS-PCの研究開発を推進しています。SSS-PCの特徴は、メモリ保護やマルチタスクなどの基本的なオペレーティングシステム機能に加えて、メモリベース通信(MBCF)や情報開 示機構(IDM)を備えていることです。さらに タスクマイグレーション機能と自由市場原理に基づくスケジューリング方式によって、システムやアプリケーションを停止することなく一部のノードのメンテナンスやシステム能力の増強が可能です。
基盤的ソフトウェア技術開拓
ソフトウェアの膨大な需要や欠陥による社会問題の克服に向けて、産学官連携によって、わが国のソフトウェア技術の国際的リーダシップに向けた戦略研究を推進し、以下の項目を中心にした討議と情報発信を行っています。(1) 国際的視野によるソフトウェア技術・研究の現状と将来動向の調査分析、今後のソフトウェア研究戦略の討議、(2) ソフトウェアの開発容易化・高信頼化・安全化のための実践的なソフトウェア研究を行うための『産学官連携ソフトウェア研究組織(仕組み)』に向けた実現法の討議と研究強化策の具体化。
トップエスイー(サイエンスによる知的ものづくり教育プログラム)
国内外の大学・研究所のソフトウェア工学研究者を結集し、産業界の協力を得て、先端的かつ実践的なソフトウェア開発教材を構築し、この教材を基礎としたソフトウェア工学講座を体系的に開発しています。これによって、「実践がない」ため、「実問題から遊離した問題(トイプロブレム)での教育・研究」というわが国大学のソフトウェア工学教育の課題克服を目指しています。本計画では、対象とするソフトウェアの主たる分野として、ネットワーク家電を想定します。開発した講座を使った大学院修士課程相当の人材養成ユニットを設置し、最先端のソフトウェア工学に関する系統的教育を実施しています。これによって、新しい問題や技術に対応できる応用力を身に付けさせ、スーパーアーキテクトの養成を目指しています。
【文部科学省:平成16年度振興調整費、課題名「産学融合先端ソフトウェア技術者養成拠点の形成」】
ディペンダブルネットワークオンチッププラットフォームの構築
情報環境/コンテンツ創成
新世代バイオポータルの開発研究
最新のライフサイエンス関連研究の成果に関するバイオポータルの研究開発を推進しています。ヒトやチンパンジーをはじめとする身近な生物のゲノム解読などの研究成果を「科学者がわかりやすい日本語で語る」ことを基本とし、その背景にある生命の原理に触れるための道具を提供することが目的の一つです。専門用語や生命科学特有の概念と英語の障壁への対処として、専門用語の変換翻訳、用語辞書、解説などの整備の推進や、さまざまな分野の研究者にも利用可能なゲノム情報の閲覧解析機能や情報の所在に関する情報、各種のゲノム解析ツールの系統化、文献検索などを開発しています。
自発的な学びを育む連想的情報アクセス技術
「連想の情報学」の体系化を目標に、情報空間に奥行きと安心感を与える連想的情報アクセス技術の確立を目指しています。異なる目的で作成された複数の情報源をユーザの意図に合わせて、その場で有機的に結合することにより、新しい発想や連想力を高める情報技術を提供します。また、画像・映像・三次元物体情報などの体験情報を、テキストとも絡めて連想計算可能にして、学習者の実体験に根ざした主体的な学習を支援することを目指しています。
【文部科学省:「知的資産のための技術基盤」プロジェクト、課題名「自発的な学びを育む連想的情報アクセス技術」】
http://www.cc-society.org/about/about02.html
連想検索、汎用連想計算エンジン GETA
「連想の情報学」の体系化を目標に、情報空間に奥行きと安心感を与える連想的情報アクセス技術の確立を目指しています。異なる目的で作成された複数の情報源をユーザの意図に合わせて、その場で有機的に結合することにより、新しい発想や連想力を高める情報技術を提供します。また、画像・映像・三次元物体情報などの体験情報を、テキストとも絡めて連想計算可能にして、学習者の実体験に根ざした主体的な学習を支援することを目指しています。
【文部科学省:「知的資産のための技術基盤」プロジェクト、課題名「自発的な学びを育む連想的情報アクセス技術」】
http://www.cc-society.org/about/about02.html
デジタル・アーカイビングにおけるコンテンツ統合・利活用技術に関する研究
人類が産み出してきた膨大な文化遺産を教育に活用するために必要な基盤技術の探求を目的として研究しています。テキストや画像など異なるメディアのコンテンツの統合とその利活用のために必要な技術、自律分散的に生成されるコンテンツを共有するための情報の統合の枠組みと方法論、そして学習者がコンテンツを利用して知識を発見学習できるような支援システムなどの開発を行い、教育機関における実験を通してデジタルコンテンツの共有と活用の検証を行っています。
考えるコンテンツ「スマーティブ 」
コンテンツの提供者や利用者の要求をポリシーとして埋め込み、 自ら考えるコンテンツを実現する技術(スマーティブ技術)を開発しています。この技術を応用して、生徒同士の対話による英会話学習が可能な教材コンテンツの試作と実証実験を行い、新しいe-Learningシステムとしての有効性を確認しました。今後は、教育分野のみならず、音楽や映像、 広告などのさまざまなコンテンツを対象にスマーティブ技術を応用し、画期的なコンテンツ活用技術の普及を目指します。
【総務省 平成14年度戦略的情報通信研究開発推進制度 産学官連携 先端技術開発(SCOPE)、 課題名「自由でかつ安全なコンテンツ流通を実現するためのエージェントフレームワークの研究開発」】
デジタルシネマの標準技術
広帯域ネットワークが普及し、映像の配信が容易となり、感性・文化を対象とするコンテンツビジネスがこれからの基幹産業となっていきます。また、デジタル技術に基づく撮像・編集・表現・流通技術は、デジタルシネマの有用性を高め、映画館や家庭での上映などの普及を促し、新たな映像文化国家および新映像産業を形成していきます。そこで、デジタル技術での新たな価値の連鎖を構築し、制作から上映までのメタデータ技術の共通仕様化を行っています。そのなかで国立情報学研究所は、コンテンツの2次、3次流通につながる著作権等の権利流通技術の研究を行い、その有用性、事業性を確認しています。
【文部科学省:科学技術振興調整費、重要課題解決型研究等の推進、課題名「デジタルシネマの標準技術に関する研究:デジタルシネマ映像配信に係るDRMに関する研究開発」】
情報検索・アクセス技術の評価と性能比較の研究基盤:NTCIR
情報検索・要約・情報抽出などの情報アクセス技術の有効性を評価する基盤として、大規模な実験用データセットの構築と、評価手法の研究をしています。適宜、ワークショップを企画し、いくつかの研究領域を選び、国内外の参加研究グループが共通のデータセットを用いて実験を行い、その実施結果を集め、正解データの作成、システムやアルゴリズムの比較評価と分析、研究上のアイディアの交換、リソースの共有などを行うことによって、関連領域の研究をより発展させることを目指しています。
課題解決型
Bio Caster
ITによる環境負荷軽減技術
「情報学による地球環境支援」
CO2などの温室効果ガスの削減が必要とされています。本研究では情報学を利用した地球環境支援、特に温室効果ガスの排出削減に関する研究をしています。その一つはプログラム解析技術を使った物流トラックの排出量削減です。トラックの集配経路はプログラム実行の流れに似ていることから、集配経路を記述する専用プログラミング言語を設計して、コンパイラなどに使われているコード最適化技法などを使いながら集配を効率化する方法です。個々のトラックによる排出削減だけでなく、共同物流の実現にも有効となることから物流業界の関心は高く、すでに実証実験の準備に入っています。このほか、情報学を利用した次世代排出量取引についても提案しています。ICタグを、排出権(排出枠)を表す有価証券のように利用できるようにして、排出枠付きの商品の実現や、排出量取引の簡単化、主体的なカーボンオフセットを実現する画期的な方法として注目を集めています。
社会・公共貢献
文化遺産オンライン
文化庁と総務省は、高速大容量通信を通じて国や地方の有形・無形の文化遺産に関する情報を積極的に公開することを目的に「文化遺産オンライン構想」を推進しています。インターネット上に日本の良質で多様な文化遺産に関する情報を集約して発信するポータルサイトである文化遺産オンラインには、現在、全国の博物館・美術館から提供された約4000件の文化遺産情報が登録されています。国立情報学研究所はこのサービスの構築・運営を担当しています。
【文化庁、総務省】http://bunka.nii.ac.jp/
情報共有システム:NetCommons
NetCommonsは、大学やNPOにおけるバーチャルコミュニティ形成を支援することを目標に、e-ラーニングサイトおよびバーチャルラボを構築するための情報共有プラットフォームとして開発しました。2003年7月から、大規模実証実験「NetCommons100本プロジェクト」を開始し、大学などの高等教育機関をはじめ、産学連携のグループウェアとして、また、NPOなどのバーチャルオフィスとして90団体が導入、活用し、有効性と利便性の検証を実施しました。2年間の実証実験を成功裏に終了したことを受け、NetCommonsの成果をより広く社会に還元することを目的に、Ver.1.0.0としてオープンソース化し、2005年8月から公開・配布を実施しています。
ディジタル・シルクロード
ディジタル・シルクロード・プロジェクト(Digital Silk Roads Project)は、先端情報技術と文化の融合に関する研究プロジェクトです。過去から現在までに調査収集された膨大な文化資源を、劣化しない形での永久保存と未来継承、これらの文化資源へのアクセスと活用を可能にすることが、プロジェクトの目的です。具体的には、実物の文化資源のデジタル化、デジタル・アーカイブの構築、ネットワークを用いたデジタル文化資源の公開、デジタル文化資源への注釈づけなどの研究を展開しています。 対象とする文化資源には、シルクロード関連の貴重書である「東洋文庫所蔵」図像史料、地震により壊滅的被害を受けたイランの古都バムの歴史的遺産などがあります。
情報信頼メカニズム(Infotrustics)
ユビキタス社会の到来により、ネットワーク上を流通する情報が爆発的に増加しつつあります。このため、利用者は、流通する大量の情報から必要とする情報を取捨選別する必要が出てきました。しかし、取捨選別する際に必要となる情報そのものの正確さ、評判、格付け、品質などの評価の仕組みには、未だ多くの課題が残されています。そこで、(1)格付けや品質に代表される情報の客観的な評価手法の確立、(2)口コミや評判に代表される情報の主観的な評価メカニズムの解明、(3)情報の信頼性が経済モデルに与える影響の解明に対して、情報学、工学、法学、経済学の視点から探求を行い、それらを統合した情報信頼評価システムの社会実装を目指しています。
【文部科学省:社会技術研究開発事業 課題名「ユビキタス社会のガバナンス」】
融合の情報学
比較ゲノム解析による進化・多様性のゲノム基盤の解明
文部科学省特定領域研究「比較ゲノム」では、35億年以上におよぶ生命進化の「重要な鍵」をにぎる生物のゲノムに焦点を当て、地球上の生物システムに進化や多様化をもたらした要因を探ることを目的としています。具体的には、立襟鞭毛虫、カイコ、ナメクジウオ、メダカ、チンパンジー、ヒトなどの動物や、コケやコムギなどの植物など、進化上の重要なポイントに位置する生物のゲノムを扱います。さらに、植物やバクテリアなどが環境中で形成する共生システムの解析といった、新しいタイプのゲノム研究も行います。このように領域全体として非常に広範囲に設定された目標の中で、私たちは霊長類のゲノムを対象に研究を行い、ヒトへの進化をもたらした要因の解明を目指します。